健康コラム

           

2022年10月03日

地域に寄り添う認知症ケアの取組み【JA愛知厚生連】

 厚生労働省は、2025年には認知症の方が約700万人を超え、5人に1人が認知症になると推計しています。
 JA愛知厚生連 稲沢厚生病院では2017年4月より認知症ケアチームを発足させ、チームが中心となって認知症ケアに取り組んでいます。

多職種で認知症患者に寄り添う認知症ケアチーム

 認知症ケアチームのメンバーは、精神科医師・認知症看護認定看護師・精神保健福祉士・薬剤師・作業療法士・管理栄養士・公認心理師です。
 入院すると身体症状や環境の変化によって認知機能が低下したり、せん妄症状(場所や日時がわからなく混乱する等)をきたす患者さんがいます。
 認知症ケアチームは、こうした症状に対する対応のアドバイス等を各専門職から行います。慣れない入院生活の中で患者さんやご家族が安心して治療を受け、できる限り元の生活に戻ることができることを目標にサポートを行っています。

地域に寄り添う認知症ケアの取組み【JA愛知厚生連】

院内全体に理解を広げ、家族・地域とともに患者を見守る

 入院環境の整備や専門的なケアだけでなく、認知症の患者さんを支えるためには周囲の理解を得ることも必要不可欠です。
 そのため認知症ケアチームでは、病院全体の知識向上を目的とした院内講演会を定期的に行っています。また、退院後の生活を見据えた家族のサポートや地域全体の理解も欠かせません。
 地域全体で認知症の方を見守れるように地域への情報発信にも力をいれています。

地域に寄り添う認知症ケアの取組み【JA愛知厚生連】

家族のサポート、在宅医療を支えるレスパイト入院

 稲沢厚生病院では、地域の在宅医療を支援するため「レスパイト入院」の受け入れも積極的に行っています。
 「レスパイト入院」とは、自宅療養中の患者さんに一時的に入院していただくことで、介護をしているご家族に休息していただく短期入院のことです。
 療養生活を支える医療サービスを組み合わせながら介護者の負担軽減を図っています。

地域に寄り添う認知症ケアの取組み【JA愛知厚生連】

認知症患者・家族が望む生き方を支援

 高齢化社会の進展とともに認知症患者は今後さらに増加していきます。
 しかし、精神科の早期受診により認知症診断がつくと、抗認知症薬使用により認知機能低下を緩やかにすることができると言われています。また、認知症になっても、本人が望む生き方ができるように、入院時の専門的なケアだけでなく安心して地域で過ごせるように家族や地域全体を見据えた支援が必要です。
 今後も地域の医療機関とも連携しながら当院の役割を果たしていけるように様々な支援に取り組んでいきます。

地域に根ざした温かい医療を目指す稲沢厚生病院

 愛知県稲沢市西部の中核病院として、急性期から地域包括ケア病棟を用いた回復期まで幅広い医療を提供しています。
 愛知県内に2つしかない精神科病床を有する総合病院(大学病院除く)であり、身体疾患を合併した精神科患者の受け入れを行っています。外来作業療法の一つとして精神デイケアを運営しています。他の参加者と交流しながらリハビリテーションを行うことにより豊かな社会生活を送れるよう支援しています。

 JA愛知厚生連 稲沢厚生病院 (https://www.inazawa.jaaikosei.or.jp/)

【関連リンク】
  稲沢厚生病院 コウセイコラム(https://www.inazawa.jaaikosei.or.jp/column/)
  JA愛知厚生連(http://www.jaaikosei.or.jp/)
  JA愛知厚生連 Webマガジン「With Magazine」(http://www.jaaikosei.or.jp/magazine/)

地域に寄り添う認知症ケアの取組み【JA愛知厚生連】



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